わが家にソファーはない

 わが家にはソファーはない。
 ないというか狭いから置いていない。


 ……でも私も老いてきたのか
 寄りかかるものが欲しくなった。
 疲れたらクッションを枕に横になればいいと思っていたのに。


 夫に頼んだらお試しで買ってきてくれた。

 ブラウンの適度な大きさの座椅子。
 (布の取り外しが出来ないので後日カバーを購入)
 やはり、楽〜。


 翌朝、りんが騒ぎ出した。
 自分のハウスの近くに見たことのないものが座っていたからだ。


  「チッチッチ〜 ジッジッジィーー」


 するとナナも痩せた顔で鳴き始めた。
 どんなに「大丈夫、大丈夫よー」
 と言っても騒いでいる。


 「いい、よく見て、これは座椅子さんよ。
  こうやったらネンネ(平ら)するでしょ。
  こうやったらおっきして、背中が楽なのよ〜」


 とやってあげたけれど、リクライニングの調節音
 「カキコキコキ……」
 みたいな音も恐かったようだ。
 2羽はとうとう逃げて行った。



  りん:「カキコキってあいつ何者チュピ!
      あたし達の天敵かしら」




  ナナ:「本物のクマさんかな? 茶色いチュチだし」




 前ほどは騒がなくなったけど、未だに見かけたら
 ギョッとした顔をしている。
 でも、私が座椅子を使用している時に肩に乗って
 寛いでいるのは何故?


  



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