触らぬ神に……

 「触らぬ神に祟りなし」

 という言葉がありますが、去年、
 そう思った出来事がありました。


 去年の今頃は、父の在宅療養が始まっており、
 歩いて風呂場までいくことは困難なので、
 入浴サービスを受けることになりました。
 浴槽を部屋に入れて洗ってもらうやつです。


 「こちらで全て用意しますから……」


 と聞いていたのですが、いざ来て見ると、
 「大判バスタオル2枚ありますか」
 「水道はどこの使ったらいいですか」


 などと言われバタバタしたのを覚えています。
 何も知らない私達は、浴槽のお湯も準備してくるものだと
 思っていたのです。


 お風呂に入れてくれる女性はとても上手でした。


 帰ってから母と
 「うちの水道使うって聞いてなかったよね。
  すごくじゃんじゃん水出していたよねー」


 と話をしていて、母は買物に出かけました。
 私は洗ったもの干しておいてと言われ、洗濯機の方に行ったら
 何だか変です。
 洗面所の床が濡れています。
 よく見ると水道の蛇口からポタポタ水漏れしています。


 母が帰宅して、
 「えー、どうしてこっちの蛇口を外して使ったのだろう。
  私、聞かれた時に、これは洗濯機用だから、
  こちらの蛇口を使用して下さいと言ったのに!」
  (担当していたのは若い男性でした)


 私はケアマネージャーさんに電話して、
 入浴サービス業者が夕方、社長を連れて謝りに来ました。
 そして、蛇口の部分の取り付け直しをしたのですが、
 結局、部品と蛇口を買いに行き新品になりました。
 その時にバスマットもビショビショにしたので申し訳ないと
 新しいのをプレゼントしてくれました。


 「蛇口と部品代金は、うちで支払いますよ」


 と言ったのですが、丁重に断られ……
 片方だけ、ピカピカの蛇口になりました(笑)


 今迄洗濯にしか使用していなかった蛇口。
 きっとサビで固まっていたものを、無理遣りはずして
 こんな結果に。


 ここの入浴サービスさんとは、結局2回しか
 ご縁がありませんでした。
 だから、なんだか申し訳なかったですね。


 

 ナナ:「まあ、あの時は色々と大変だったチュチね……」


 ナナたちもみんな介護合宿で協力してくれていたんだなと
 思い出しました。
  



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