安らかな顔で……

 父の事について忘れないうちに、少し書き留めておこうと思っています。
 つまらない内容ですが、おつきあいしてくれると嬉しいです。


 17日、父は入浴もしたのでまた熱でも出すのではないかと
 ハラハラしながら私は夜勤として父のベッドの横で寝ました。
 「せん妄」が以前からあったので、夜中に雄叫びをあげたり、
 動きが激しかったり……
 18日未明はベッドから落ちるのではないかと思うくらい
 体を動かしていました。


 今思えばあれは、痛みが強く苦しんでいたのではないかと思います。
 私は熱のことばかり気にしていたから、寝相が悪いぐらいにしか
 思っていなかったのかも。
 何度か「痛いの?」と聞いてみたのですが、ちゃんと答えてくれなくて
 体をさすって、その繰り返し。


 18日朝は朝食も摂り、その時に痰がからんだ感じがしたので
 気になってはいました。
 午後から看護師さんが点滴をセットしにくるので待っていました。
 昼ごろ父が熱があがっていてビックリしました。
 とりあえず薬を飲まして冷やしたり熱を下げるのに必死になりました。


 看護師さんが様子を先生に報告し、往診に来てくれることになりました。
 そのときに、
 「週末に会わせたい人がいたら呼んでおいた方がいい」
 と言われ、母はすぐに弟に連絡を入れ……


 酸素も足りなくなっているので、機械まで借りたのですが、
 父の痛みはおさまらないようで。
 先生の指示通り、痛み止めの薬を飲ませました。
 最後に飲ませたのは午後6時半、私の手から飲んでくれました。


 あまりに痛む姿を見て先生は
 「弟さんたちがくるまでは、強い薬を使わないようにしてみる」
 と言われ、弟達は午後10時半頃到着。
 父を励ましてくれていました。
 30分たって、父も疲れているから少し寝かせてあげようと
 母を残して離れました。


 弟達が居間で寝ると言ったので、その言葉に甘えて
 私は2階に寝ることにして、父におやすみの挨拶に行きました。

 「今日はみんながいてくれるから、私は2階で寝るねー」

 でもなんか変です。
 さっきの呼吸と違います。
 私は父の頬を軽くたたきました。
 するとアゴを2回カクカクさせたので
 みんなに「変だ」と叫びました。


 ユウコさんが
 「脈がとれない」
 と言い、父がスーーっと眠るように息をひきとったのが
 わかった瞬間でした。 




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