ズルイんだから

 特に大掃除に忙しいというわけではないのだけれど
 私が動き出すと、遊んで欲しいみたいで……


 キッチンで洗い物をしていると
 りんが「ジィジィシィー ギャッギャーーー」
 と叫んでいる。
 行って見ると、開いたままのノートパソコン。
 キーボードカバーをめくり、3、4個はずしている。
 いつもなら音で気づいて、私は「こらーーー」
 って戻って来るのに、気づかなかったから
 「なんで来ないチュピなのーーー」
 と絶叫していてたようだ。
 確実に、私を呼び戻すためにやっている悪い子ちゃんだ。


 そして今日、りんは私がキッチンに立つとエプロンの中に
 潜り込んでくる。
 じーっとしていてくれればいいが、少し経つと
 脇の下あたりをガブしてくる。


   私:「そんなことするなら、ここから出て行きなさーーい」 


 と怒ると洗面台の方に逃げて行った。


   私:「もう、そこで反省していなさい!」


 と戸を閉めた。
 すると大袈裟に鳴き叫ぶりん。
 まるで冷凍室にでも閉じ込められた人のような感じ。
 それにナナもビックリしたようで呼び鳴きしている。
 ナナは私の所に来て、目で訴え始めた。




  ナナ:「りんが鳴いているから、ボクも向こうへ行かせてチュチ
      そしたら戸を閉めていいから。
      りんに邪魔させないように言いきかせるチュチだよ」


 戸の少し開けてナナを入れたら、あんなに叫んでいたりんが
 ピタッと静かになったのです。
 ナナの力は凄い!




 しばらくして、そーっと戸を開けて覗いてみると
 仲良くしているじゃないの。




  私:「りんちゃん、反省したの?」
 りん:「反省したチュピですよ」
  私:「そのお顔、ウソついているみたいよ」 




 りん:「じゃあ、このお顔はどうチュピ」
  私:「もう、また、そんな、可愛いズルイ攻撃ね」



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