小さな桐の棺に……

 今日は実家の両親と、そしてナナを連れペット霊園に行って来た。

 母が遺体を綺麗にしたので、まるで生きているかのような美しさだった。
 母はルークのヒゲを形見に少し切ったという。

 火葬場に着くと、まずはルークに線香あげて、それから焼く台に乗せる。母が洋服を着せてあげてもいいかと聞くと、上にかけるならOKとの事。あの最後の温泉へ行った時、着ていた洋服だ。数回しか着ていないけど、
「この洋服が似合っていたから持たせてやりたい……」
と言って持ってきた服だった。ルークの顔の周りに、ガーベラ、トルコ桔梗などの花と、コットンボールと五円玉を少し入れ、最後のお別れをした。

 私達は控室に案内され、火葬が終わるのを待っていた。

 他にまだ客がいなかったので、ナナをミニゲージから出し、遊ばせた。
 ナナは父の足の所につかまり、居眠りしていた。ストーブが傍にあったので気持ちよかったようだ。

1時間半ほど経つと係の人が呼びに来た。それから私達はお骨の説明を受け、拾い始めた。

 ちなみに料金は次の通りだ。
   個別火葬料金 18000円
   骨 箱     2500円
   骨 覆     1800円
   消費税     1115円
    計     23415円

 支払いを済ませ、車に乗り込む。
 私はナナに
 「ナナも一緒にお葬式に参加できて良かったね」
と言うと「ジュイジュイー」みたいに、いつもと少し違う鳴き方をした。
 母がナナちゃんはママの言う事、ちゃんとわかるのねーと涙ぐんでいた。
 帰り、ルークの好きだったケンタッキーフライドチキンを買った。それをルークの祭壇に供えた。ルークは喜んで食べているだろうか……

 ルークが死んだ翌日、動物病院から、小さなミニ花カゴが送られて来ていた

 病院関係者の方、ありがとうございました。