電話でルークの訃報を聞いた私は、夫とナナと又実家に向かう。
実家に着くと母が泣きながら、ルークの自慢のヒゲや体を綺麗に拭いてあげていた。
私がルークの体をさわると、まだ温かかった。瞳は開いたままだったが、とても安らかな顔をしているように思えた。来る途中に買ってきた花をルークに供えた。
ナナにもお別れしなさいと言ったが、やはり理解してないらしく、ルークの前に連れてくると不思議そうな顔で見つめていた。
ルークの上に、最後の温泉旅行に行った時の洋服をかけてあげた。そして写真を撮ってあげた。
死んだ犬の写真を撮影するなんて悪趣味と思う人もいるだろう。でも苦しんだ後の安らかな顔は、とても美しく見える。いまにでも起き上がってボールを銜えて走ってくるような気がする。
それとルークは皆に癌の恐ろしさや痛さを教えてくれた。
とっても気を遣う、本当にお利口さんな愛犬だった。
8歳と2カ月だった。
ルーク、たくさんの想い出ありがとう
ルークは皆の心の中で
私のブログの中でずっと
生き続けていくからね
帰りの車の中で、
「お前は、ルーク兄さんの分まで長生きするんだよ」
と私は、ナナを両手で抱き締めた……