金曜日、ソラちゃんの埋葬を終え、帰る仕度をしていたとき
キロは、ナナとりんに向かって
『チチチチ、ビビビビ〜』
と羽を広げて鳴いていた。
きっと、
「帰らないで〜 まだいて〜」
と言っていたのかな。
ソラが落鳥したとき、ナナは私を慰めにこなかった。
いつも私が悲しい顔をしている時は、
頬にクチバシをこすりつけて、励ましてくれるのに、
無言で私を見つめていた。
「ママはソラの方が好きなの? ボクより?」
とでも言っているかのような瞳に見えたり、
それとも、
ナナもソラが死んでしまったことを一緒に悲しんで
励ます余裕がなかったのか……。
りんは異常な雰囲気を感じていて、私の泣いている傍にきて
耳をガブする。
その時、思った。
他の子たちの為にも泣いていられないんだな……
泣くのは見ていない時にしようと思った。
自宅に着き、ナナとりんを寝かせて、
翌日、「おはよう」と声をかける。
いつもと同じ朝……
その時、私は気付いた。
「あ゛ーーーーーっ!」
昨日、寝る前にお水入れ、入れるの忘れていた〜。
キッチンにポツーンとふせておいてある容器……
それを見るまで気付かなかったー。
ごめんねー、夜中にお水を探したかな?
ひたすら謝りつづけた私です。
りん:「ママに付き合わされて断酒させられたチュピだわ」
ナナ:「りん、違うよ、断みずチュチ ひからびぃ〜」
《 ソラちゃんへ 》
ソラちゃんが居なくなったのは寂しいけれど
ボクたちは、知らんぷりして生きていくよ。
だから、ずっと忘れないよ。
ソラと一緒にいたこと、
そしてこれからも……ずーっと一緒だよ。
《 ナナ・りん・キロより 》