納豆売りの少女

 先日、母と納豆の粒の大きさの話をしていたら
 「私、子供の頃、納豆売って歩いたんだよ」
 と言った。
 それは、初めて聞く話だった。


 母が生れて1カ月以内に、父親が亡くなり、再婚同士という複雑な事情もあり、
 その家を出され、祖母が大変苦労したのは知っていた。
 祖母が病気になった時、何故だか納豆売りをする事になったという。
 もしかして祖母がしていた仕事の1つだったかも知れない。
 それが何年生の事だったのか、1人で売り歩いたのかはよく覚えてないらしい。
 でもどこかで自分で納豆を仕入れ、売っていたそうだ。
 きっと昭和30年代には家計を助ける為によくある話だったかも知れない。


 それが何故だか新聞社の人の耳に入り、母は納豆を持った写真を撮られ、
 新聞に載ったそうだ。
 それを見た読者の方から同情されたのか、
 洋服・お菓子・食料などが沢山送られてきて驚いたと。


 私はそれを聞いて、思わず笑ってしまった。
 あまりに突然に聞かされた話だったし、
 「納豆売りの少女」の娘は納豆が嫌いだし……
 まあ、好き嫌いしないようにとの母の厳しい躾で、絶対にイヤという食べ物はありません。
 納豆も少量ですが食べるようにしています……
 私、砂糖を少し入れないと食べられないのです(お子ちゃまでしょ)

 ナナ:「理解したチュチ、ママがパパの納豆に砂糖入れると
     言っていじめていたチュチ
     だからママは甘納豆が好きなチュチだね」
 りん:「パパ、ママが病気になったら、納豆売りに行くチュピ
     だっておやつ食べたいチュピだもん」