25分くらい神隠し

 今朝、子供達のお部屋を掃除して、水を取り替え、
 自分の朝食の支度をしていました。
 そして、食べ始めた私は、りんの姿が見えないことに気付きました。
 「ナナ? りんちゃんは?」
 と聞いてみましたが、そっけない態度です。
 私は、「りんりん? りんちゃーん、どこ?」
 と大きな声を出しながら探しました。
 ナナも鳴いてみたり、飛んでみたり……でも、りんは出てきません。
 さっきまで、そこら辺で遊んでいたのに、おやつの箱を振って音をたてても駄目、
 もしかして、隙間に埋れて出られなくなっているのでは?
 と思い、さっきまで遊んでいた近くの物を移動させてみたのですが、
 声さえしません。正直少し焦りました。
 もう朝食どころではありません。


 私は、もう一度、今まで探した所を丁寧に探そうと先ほど移動した
 ハーフ毛布をたたみ直そうと、パラッと開きました。
 すると、そこからりんが慌てて出てきたのです。
 りんの頭はボサボサになってました。
 きっと折りたたんであった端から入り込み、ぐいぐい出口のない
 折り目の方に入り身動きがとれなくなってしまったのでしょうね。
 早く発見して良かったとホッとしました。
 それから私は、冷めたカフェオレとパンケーキを温めなおしもせず
 食べたのでした。


 「今日も張り切って仕事するチュピよー。」

 「まったくりんは目が離せないチュチだなー」