ナナに抱きしめられて……

 ルルが亡くなったのは夜中でしたから、
 母の大泣きが落ち着いてからも、眠ることはなく
 ボーッとしていたと思います。
 それでもウトウトしたんですね。
 気が付いたら5時半でした。


 朝食の支度をしている私の所に、ナナがやってきました。
 私の首の所にピターーーっと張り付いて、じっとしています。
 「ナナ、寒いの?」
 と聞くと、今度は私の頬を嘴でクシクシとこすり始めました。

 きっと、私の顔を見て察したのでしょう。
 首の所に張り付いたのは、きっと、私を抱きしめてくれたんではないかと。
 そして、ヨシヨシしてくれたんだと思います。



 ナナはものすごく、そういう所は敏感で、
 もしかして、ナナもルルが居なくなって寂しさを感じていたのかも。
 だって、また若い子を見送ったのですから……



 りんは、私が左手の中にルルを持ち介護していているとき
 ルルに意地悪することなく、エプロンの中に入ってきたんです。

  「りんちゃん、我慢しているの? いいよ入って。」
 
 りんは私の顔を不安そうな顔をしてみあげながら
  「アタシ、空気読めてないチュピよね」
 って顔をして落ち着かず飛んで行きました。



 さあ、この可愛い子たちのために、
 笑いのある賑やかな生活に戻りましょう。
 ありがとうね、ナナ、りん。




 そして、ルルの墓前にお花を供えてくれた方
 ありがとう。




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