いつからだろうか、ナナは私にキスをしてくれるようになった。
カゴの掃除をする時にナナを出すとき、
「ナナちゃん、おはよう」
と言い、必ず私はクチバシに「チュッ」とした。
それがいつからか、ナナもお返しをするようになった。
私が「チュッ」とすると、少し頭を上にあげ、振り下ろすように
ためて、ためてーー「チュッ」としてくれる。
その音を例えるなら、人間が舌打ちするような、ボールペンをノックする音のように切れの良い音。
それを聞けた日はとっても嬉しい。
私もお返しをする。すると機嫌の良い時はまた「チュッ」としてくれる。
今朝、そのキスをナナは3回連続で私に浴びせた。
もしや求愛されているのか!
私は朝から、メロメローンとなって倒れてしまった。
まさか、後で何かおねだりされたりして……