ナナの妥協

 りんは相変わらず、突然飛んで来ては、ガブッと私や夫をかじる。
 耳や首、人間の肌の柔いところをまるで熟知しているよう。
 私も知らんぷりしてやろうと思うが、これがかなり痛い!
 ナナもこのガブにやられたのかと思うと、本当に申訳なく思う。


 でも、ナナ、コザクラが出来ているのかりんには決して弱い所を見せない。

 それは、りんも一緒……
 怒られても、威嚇されても……

 追いやられても、突付かれても
 ナナの秘密基地で一緒に遊びたいようで、必死にねばる。

 そして、決してひるまない。
 ガブポーズ、今日も決まりました!
 すごい根性のりん(足、長くないですか?)

 そんなりんも時々、可愛い顔に戻る瞬間が……
 ケージの中で、満足気なすまし顔……
 ってりんちゃん、そのお部屋ナナお兄たんのでは?
 確か、あなたのお部屋にはコットンロープはないですよね。

 「ママ、りんが静かにしている時は、知らんぷりするチュチ。
  そうでないとボクやっていけないチュチだよ」