私と弟が小さい頃、お世話になったＳ子おばさん。話だすと止まらない事で有名だが、少し霊感もある。
ルークが闘病している時、何かにつけて実家を訪れていたそうだ。
Ｓ子さんは親しい人の死期が近づくとわかるから、ルークに死期が近づいていることを覚悟していたと後で母から聞かされた。
まあ、ルークは犬だったがＳ子さんが大好きだった。ルークが亡くなる何日か前、Ｓ子さんの枕元に来て話かけるとスーッといなくなったという。
そのＳ子さん、もう10年位前になるだろうか。いつものように１人で銭湯に出かけた帰り、古い知人に会ったそうだ。
立ち話して湯冷めしたら嫌なので、自宅に知人を連れて戻った。
その人はＡ子さんという事にしよう。
Ａ子さんは、旦那さんが高い所から落ちて仕事が出来なくて、収入が減り日々の生活が大変だということを愚痴っていた。
Ａ子さんの帰り際、人のいいＳ子さんは自宅にある乾麺や菓子類をスーパーの袋に入れて持たせてあげ、道路まで見送った。
それから数週間後Ｓ子さん、今度はＡ子さんのお姉さんにスーパーで偶然会ったので、その後の様子を聞いてみた。
「何、冗談言ってるの、Ａ子は数年前に死んだのよ……」
とそのお姉さんに言われたらしい。旦那さんが大工で怪我をしたまでは事実らしい。
Ｓ子さん、いまだにあの袋に入れた商品がどうなったか気になっているらしい。
（そっちかよ〜とツッコミ入れたい！）
夢でも見たんじゃないのと言いたいが、Ｓ子さんの娘もＡ子さんを一緒に見ている。
