可愛い後輩……


 この間、弟の家に久々に行った時、姪のマリアの習字が貼ってあった。
 「あれ、この用紙どこかで見た事があるー」
と思ったら「日本習字」だった。
 マリアが1年生になって習字を習い始めたと言うのは聞いていたが、まさか私と同じだったとは!
 そして、マリアの字がとても上手なことに驚いた。
 あの、マリちゃんからは想像できない、しっかりした筆圧だった。

 私も同じ小学1年生から習字を始めた。
 それも練習するのがイヤでイヤでたまらなく、泣きながら清書したこともある。

 親の転勤もあり小学3年生でやめてしまった。
 それ以来、学校での書道の時間にしか筆を持たなくなるのだが……

 そして28歳の時、茶道と出会った。
 茶会の時に小筆で名前を書かなくてはならなく、その字が悲惨だった。
 それが嫌で、また書道を習い始めた。
 人様に自慢するほど上手な字は書けないが、一つだけ心がけていることがある。
 それは、折角、お手本に近づくくらい素晴らしい文字を書いても、
 自分の名前を粗雑に書いては駄目だということ。


 それを、クドクドとマリアに教えては来たが、果たしてどうなることか?
 でも、可愛い可愛い後輩。
 綺麗な字を書ける女性になっていって欲しいと願っている。